実験管理・機器連携・凍結在庫・監査ログを統合した細胞培養管理SaaS
約90画面・110データモデル規模のマルチテナント型Web SaaS。バックエンドとAWSインフラを一貫して担当し、モデルクラス約120のデータモデルを破綻なく設計。
プロジェクト概要
再生医療・細胞培養の研究ラボ向けに、実験管理・ラボ機器連携・データ可視化・凍結在庫管理・監査ログを1つに統合したマルチテナント型Web SaaSです。約90画面・110データモデル(テンプレート88、モデルクラス約120、URLルート200近く、Python約3万4千行)の大規模案件で、体制4名(PM1名/デザイナー1名/フロントエンド1名/私)のうち、バックエンドとAWSインフラを一貫して担当しました。業務ドメイン/ラボ機器データ取り込み2本/監査ログの計4アプリ構成で、モデル・ビュー・業務ロジックを設計・実装しています。

元の業務課題
- 実験メモ・継代メモ・解析メモが紙やローカルPCに分散し、探すのに時間がかかっていた
- 凍結在庫が手書き表やExcelで管理され、手作業・転記による入力ミスや抜け漏れが発生していた
- 履歴や根拠の追跡が困難で、監査対応に大きな工数がかかっていた
- 情報共有が属人化し、研究の再現性と品質にばらつきが出ていた
- 顧客ごとにデータを完全に分離しなければ、複数ラボへ提供できなかった
Beforeの業務フロー
- 01実験内容・継代履歴を紙やメモアプリへ記録
- 02測定装置が出力したCSV・画像を各自のPCへ保存
- 03凍結バイアルの在庫を手書き表やExcelで管理
- 04必要なデータを探すために、複数の保管場所を横断して確認
- 05監査や報告のたびに、履歴と根拠を手作業で再構成

提案した解決方法
- 業務ドメイン/ラボ機器データ取り込み2本/監査ログの計4アプリ構成で、モデル・ビュー・業務ロジックを設計・実装
- 顧客ごとに専用MySQLデータベースを持つマルチテナントを、ログイン時にDB名を解決してアプリ側で明示指定する方式で実装
- DBアクセスを共通ヘルパー経由に寄せ、レビューで対象DBの指定を必ず確認する運用で一貫性を担保
- 測定装置が出力するCSV・画像を共有ストレージ経由で取り込み、細胞数・コンフルエンシー・成長トレンドとして整理・可視化
- 保管庫→ボックス→ロット→バイアルの4階層をモデル化し、チケット予約とQR照合による2段階でステータスを確定
- 変更前後を丸ごと記録するスナップショット形式の履歴テーブル群を持つ、監査ログ専用アプリを設計・実装
- EC2+Apache構成を構築し、CodeBuild/CodeDeployで開発・レビュー・本番の3環境へデプロイするパイプラインを整備
- S3をEC2にマウントして静的ファイルと機器データを保存。SES・Step Functions(使用量再計算)・API Gateway+IAM(外部同期APIの保護)を利用
システム構成イメージ

主な機能
実験・培養ロット管理
細胞培養ロット、継代履歴、実験ジョブ、プロトコル、撮像データ、解析結果を一元管理。
ラボ機器データ連携
測定装置が出力するCSV・画像を共有ストレージ経由で取り込み、細胞数・コンフルエンシー・成長トレンドとして整理。
凍結在庫の階層管理
保管庫→ボックス→ロット→バイアルの4階層をモデル化し、バイアル1本単位で所在・入出庫・位置変更を追跡。
QR照合による入出庫
入出庫をチケット単位で予約し、QR照合のうえ未入庫→凍結中→出庫済みのステータスを2段階で確定。
監査ログ専用アプリ
変更前後を丸ごと記録するスナップショット形式の履歴テーブル群を持つ専用アプリ。CSVエクスポートにも対応。
マルチテナント基盤
顧客ごとに専用MySQLデータベースと専用ストレージ領域を分離し、アプリ側でDBを明示指定する方式で実装。
帳票・エクスポート
python-docxによるWordレポート自動生成、CSV/ZIPエクスポート、日本語・英語の2言語対応。
AWS構築・CI/CD
EC2+Apache構成を構築し、CodeBuild/CodeDeployで開発・レビュー・本番の3環境へデプロイ。


導入効果
- 約120のモデルクラスにわたるデータモデルを、マルチテナント・凍結在庫の階層構造・監査ログの3要素が絡み合う形で破綻なく設計
- 顧客ごとに専用MySQLデータベースを持つマルチテナントを、専用ライブラリを使わずアプリ側でDBを明示指定する方式で実装
- 保管庫→ボックス→ロット→バイアルの4階層を、チケット予約とQR照合による2段階設計で不整合なく運用できる状態に
- CodeBuild/CodeDeployで開発・レビュー・本番の3環境へデプロイするパイプラインを構築
- ※画像認識・解析アルゴリズム自体は実装範囲外です(倍加時間は装置側/利用者が算出した値を入力する運用)。稼働後の定量的なビジネス効果は把握していないため記載していません
技術構成
関連プロジェクト
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